里実文庫TOP

里実文庫について

平成13年9月 里実福太朗
修正 平成14年3月
   平成16年5月 今井安貴夫


1

■里実文庫の目的
里実文庫は、私たち人類の知的共有財産を、より簡便な方法で享受できる場を提供することを目的とします。提供する文書の形式は、Web文書(HTML形式)を基本としますが、里実工房で入力/作成した文書は、HTML形式以外に、プレーンテキスト形式の文書も提供することといたします。また、底本は可能な限り、一次資料(原典、復刻版など)を利用することとします。 「里実工房入力/作成ファイルの扱い方」にご配慮していただいて、読書・研究などにお役立て下さい。

2

■里実文庫の基本的な考え方
インターネット上には、著作権の切れた作家たちの作品を、電子データとして載せているサイトがあります。例えば、広く知られているものとして「青空文庫」があります。プレーンテキストだけでなく、HTML形式のファイルも載っています。そのほかにも電子化されたテキストを載せているサイトはいろいろ存在します。HTML形式で載っていれば、ブラウザですぐ閲覧することができます。ただ、行間のない状態で表示されますので、読みにくく目も疲れます。

3

このような欠点を克服するため、テキストファイルをモニター上で読みやすくするためのソフトが開発され、市販されているものもいくつかあります。それらのソフトでは、一般的にテキストを縦組みで表示したり、文字の大きさを変えたり、行間を変えたりといったふうに、自分の好みの文書スタイルに変えて、モニター上で読むことが出来ます。本と同じように1ページ1ページずつめくりながら読むことも出来ます。モニター上で、本を読むのと同じように読むことができるという点で、すばらしい仕組みだと思います。

4

ただ、それらのソフトの多くは、まずそれをダウンロードして、さらに解凍して、インストールしなければなりません。解凍するためには、そのための解凍ソフトをダウンロードしなければなりません。この作業が、パソコンを使い慣れていない人にとっては、非常に厚い壁になるようです。ですから、モニタ上で読む方法として一番簡単な方法は、やはりブラウザで表示して、それをそのままの形で読むということになると思います。

5

長い間私たちは、紙で作られた書物という形で、文章を読むことに慣れ親しんで来ました。ですから、インターネット上に、多くの優れた文学者たちの作品が蓄積されてきても、いざその作品を読もうとする段になると、本を読むのと同じように読みたいと思ってしまうのです。しかし、そのように読みたいのならば、なにもモニター上で読む必要はありません。活字で印刷された書物で読めばいいのです。

6

Webぺージの文章には、書物とは違った形式面の性質があります。たとえばページという概念は、活字文書とWeb文書とでは大きく違います。Web文書には、活字文書のページに当たるものがないと思った方がいいかもしれません。また、活字文書は、印字された字そのものを大きくして読むことは出来ません。しかしパソコンでは、簡単にそれが出来てしまいます。

7

このような違いがあるのですから、書物と同じ方法で読もうとすることは、Web文書の特質を無視して、無理矢理書物の形式に合わせようとしていることになってしまいます。そのような力任せな方法を全く否定するのではないのですが、まずはWeb文書の特質を生かした読み方を工夫することが、素直な考え方ではないでしょうか。書物と同じ方法でWeb上の文章を読もうとすることは、結局はパソコンの長所を殺すことにつながってしまうような気がします。Web文書の特質を生かした読み方を工夫し、そして読者が安価で簡単な方法で利用できる方向を探ることが大切だと思います。

8

里実文庫は、以上のような考え方に基づいて、テキストが簡便な方法で読めること、出来るだけ読みやすい形で提供することを目指しています。モニターで作品を読むこと、横組みで文学作品を読むことに抵抗を感じる人も多いと思いますが、それも時とともに慣れてくると思います。

9

書物の形で読む、モニター上で読む、朗読を聞く、このようにある作品を享受する形はいろいろあります。目的に応じて、気分に従って、いろいろな読み方を採用していけばいいのではないでしょうか。