徒然草
 

■第百十三段

四十よそぢにも余りぬる人の、色めきたるかた、おのづから忍びてあらんは、いかゞはせん、ことに打ち出でて、男・女のこと、人のうへをも言ひたはぶるゝこそ、にげなく、見苦しけれ。

大方、聞きにくゝ、見苦しきこと、老人おいびとの、若き人に交りて、きやうあらんと物言ひゐたる。数ならぬ身にて、世の覚えある人を隔てなきさまに言ひたる。貧しき所に、酒宴好み、客人まらうと饗応あるじせんときらめきたる。










松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。

変更箇所
  ルビ付きHTMLファイルに変換
  ルビをカタカナからひらがなに変更
  行間処理(行間180%)
  段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月