椎本(大島本)
登場人物
第一章 匂宮の物語 春、匂宮、宇治に立ち寄る
- 匂宮、初瀬詣での帰途に宇治に立ち寄る---如月の二十日のほどに、兵部卿宮、初瀬に詣でたまふ
- 匂宮と八の宮、和歌を詠み交す---所につけて、御しつらひなどをかしうしなして
- 薫、迎えに八の宮邸に来る---中将は参うでたまふ。遊びに心入れたる君たち誘ひて
- 匂宮と中の君、和歌を詠み交す---かの宮は、まいてかやすきほどならぬ御身をさへ
- 八の宮、娘たちへの心配---宮は、重く慎みたまふべき年なりけり
第二章 薫の物語 秋、八の宮死去す
- 秋、薫、中納言に昇進し、宇治を訪問---宰相中将、その秋、中納言になりたまひぬ
- 薫、八の宮と昔語りをする---夜深き月の明らかにさし出でて、山の端近き心地するに
- 薫、弁の君から昔語りを聞き、帰京---こなたにて、かの問はず語りの古人召し出でて
- 八の宮、姫君たちに訓戒して山に入る---秋深くなりゆくままに、宮は、じみじうもの心細く
- 八月二十日、八の宮、山寺で死去---かの行ひたまふ三昧、今日果てぬらむと
- 阿闍梨による法事と薫の弔問---阿闍梨、年ごろ契りおきたまひけるままに
第三章 宇治の姉妹の物語 晩秋の傷心の姫君たち
- 九月、忌中の姫君たち---明けぬ夜の心地ながら、九月にもなりぬ
- 匂宮からの弔問の手紙---御忌も果てぬ。限りあれば、涙も隙もやと
- 匂宮の使者、帰邸---御使は、木幡の山のほども、雨もよにいと恐ろしげなれど
- 薫、宇治を訪問---中納言殿の御返りばかりは、かれよりも
- 薫、大君と和歌を詠み交す---御心地にも、さこそいへ、やうやう心しづまりて
- 薫、弁の君と語る---ひきとどめなどすべきほどにもあらねば、飽かずあはれにおぼゆ
- 薫、日暮れて帰京---今は旅寝もすずろなる心地して、帰りたまふにも
- 姫君たちの傷心---兵部卿宮に対面したまふ時は、まづこの君たちの御ことを
第四章 宇治の姉妹の物語 歳末の宇治の姫君たち
- 歳末の宇治の姫君たち---雪霰降りしくころは、いづくもかくこそはある風の音なれど
- 薫、歳末に宇治を訪問---中納言の君、「新しき年は、ふとしもえ訪らひきこえざらむ
- 薫、匂宮について語る---「宮の、いとあやしく恨みたまふことのはべるかな
- 薫と大君、和歌を詠み交す---「かならず御みづから聞こしめし負ふべきこととも
- 薫、人びとを励まして帰京---「暮れ果てなば、雪いとど空も閉ぢぬべうはべり
第五章 宇治の姉妹の物語 匂宮、薫らとの恋物語始まる
- 新年、阿闍梨、姫君たちに山草を贈る---年替はりぬれば、空のけしきうららかなるに
- 花盛りの頃、匂宮、中の君と和歌を贈答---花盛りのころ、宮、「かざし」を思し出でて
- その後の匂宮と薫---御心にあまりたまひては、ただ中納言を
- 夏、薫、宇治を訪問---その年、常よりも暑さを人わぶるに
- 障子の向こう側の様子---まづ、一人立ち出でて、几帳よりさし覗きて
【出典】
【校訂】
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